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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■1999年9月のニュース一覧
▼[1999.09.29]ワイヤードの,神
▼[1999.09.28]医療の現場とワイヤードと
▼[1999.09.26]時は来ませり
▼[1999.09.25]信用ならない交通標識
▼[1999.09.24]問われるべき罪
▼[1999.09.23]荒涼の大地の片隅の秘事
▼[1999.09.22]共有しましょ
▼[1999.09.21]夢
▼[1999.09.20]ゲームショー99秋,雑感
▼[1999.09.18]新しいフィールドに降り立つとき
▼[1999.09.17]音楽制作者としての常識
▼[1999.09.16]誰でもできる簡単告発方法
▼[1999.09.15]ウレナイ,プレステ2
▼[1999.09.14]想像力の破綻と人間の失墜
▼[1999.09.13]帝国の綻びの穴は…
▼[1999.09.12]愛の告白のコード
▼[1999.09.11]パラサイト・ボム!
▼[1999.09.10]幕開け前の喧騒
▼[1999.09.09]僕を買ってください
▼[1999.09.08]肉体という名のハードウェアデバイス
▼[1999.09.07]世紀末の救いとしての個人認証
▼[1999.09.06]三つ巴の崩れる時はいつ?
▼[1999.09.05]月曜日の恐怖の木曜日
▼[1999.09.04]携帯ゲーム機未来予想図
▼[1999.09.03]本当の怪物の誕生日は
▼[1999.09.02]震撼の扉
▼[1999.09.01]簡単な自分を守る方法,その壱

■1999年10月のニュース一覧
■1999年8月のニュース一覧


[1999.09.29]
  ワイヤードの,神


 ▼サイバースペースで人間性は守られるか(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3120.html


 「ワイヤードのアノニマスな存在として永遠に生き続け,そこを情報によって支配しえる存在…」「…そういう存在をなんていうと思う?」「…神」。

 先週末開かれたパラドックス2会議の主題は,以下のようなことだった。サイバースペースの問題点は,人間がそこに捕まってしまい現実に関心を持たなくなってしまうことだということ。さらに,将来,高性能の人工知性体ロボットなどが,地球の支配権を握ってしまうことがあるか,ということ。だが,どちらの主題にも否定的な意見が多かった。「誰かと現実に合うことほどエネルギーのある経験はない」「コンピューターの知性は非常に限られたもので,人間の知性の小さな側面に過ぎない」などと。

 『テック・グノーシス』(WIRED NEWSの詳細記事)のエリック・デイビスや,『サイバーグレース』のジェニファー・コッブなどの名もあがる,興味をそそられる会議のレポート。文章が整っていないのが残念だが,そのやりとりは興味深い。ロボットによる支配社会,というノスタルジックな話題もあるが,ここではあえて,取り上げて欲しい主題の提起を。ワイヤードに神は,いるのか?

 リアルワールドでは,神の存在は宗教の定義へと当てはめられるが,ワイヤードでは,プロトコルですべての支配を可能とする存在はありえるのではないだろうか。もともと,「ネットワーク」という人が繋がるという意思の起源は,神話の世界を元とするほどのものだろう。リアルワールドでテクノロジーが神となることは考えられないが,人を虜にするワイヤードに,その支配の象徴としての神は存在する,という思想は考えてみる価値がある。…サイバースペースの人間性には,そんな議題も必要かもしれない。




[1999.09.28]
  医療の現場とワイヤードと


 ▼一刻を争う救急医療に必要な情報を提供するシステム(シリコンバレーエクスプレス)
  http://www2.nihon.net/cgi-bin/sve/osform/SVERead?osform_template=Brows_body.oft&pDate=990927&Id=06


 見知らぬ旅先の土地で事故に巻き込まれる。初めて会う医師はあなたのことなど何も知らない。あなたも説明することができない。だが,医師はあなたのカルテを手にとることができる。そこから,一番適切な処置を施すことができる。そのために,ワイヤードができること。

 911-スタット社が,インターネットベースのインタラクティブな個人医療データベースシステムを発表した。世界のどこで病気になっても,すぐに治療歴などにアクセスできるシステム。患者が話をできない状態であっても,薬剤への副作用やアレルギーなどを知ることができる。このシステムの利用料金は年額29.95ドル。

 医療の現場で一番必要なのは,その患者を正確に,そして詳細に知ること,だという。各数値の標準の値はどれほどなのか,過去にかかったことのある病気は,アレルギーなどどのような特徴はあるか。本人は話すことができない,身内などとの連絡もつかない,しかも緊急で処置を施す必要がある…。そんなとき,判断をしなければいけない医師の苦悩は,思いはかられるものがある。

 医療カルテというのは,どこの病院でも重い扉の奥にある。もちろん,非常に大きい個人情報であり,簡単に公にできるものではない。もし,完全なセキュリティーが守られて,世界中のすべての医師がアクセスできるカルテ保管場所があれば,医療の現場は大きく変わるかもしれない。そんな未来について考えてみるのも捨てたもんじゃない。ワイヤードで繋がることの本質的な意味も,感じられる。ただし,有料じゃなけりゃね(-.-)。




[1999.09.26]
  時は来ませり


 ▼『Linux』開発者らの新計画、まもなく公開か(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/Business/story/3105.html


 宇宙人の技術を製品化しているという噂を呼んだ新たなチップメーカーが,動こうとしている。幾多の混乱があろうとも本質的に硬直化しているPCチップ業界を,一段高いところから見下ろすかのように。今,時は来ませり。

 シリコンバレーで最も秘密主義的な新興チップメーカー,トランスメタ社が,11月にラスベガスで開かれるコムデックス見本市でその謎を明らかにするかもしれないと,同社の社員の1人でありリナックスの創始者としても知られているリーナス・トーバルズ氏が23日,述べた。同社は噂によると,革命的な高速マイクロプロセッサの作成とともに,チップの機能を改善するソフトの製作を行っていると考えられている。

 トランスメタ社は,リナックスの創始者のリーナス氏や,AT&Tベル研究所で初期プロセッサを設計していたデビッド・デイゼル氏,マイクロソフトの共同設立者のポール・アレン氏なども参加しており,注目を嫌でも集めるのに,なにを作っているのかさっぱりわからなかった。そのため,一部では同社が宇宙人の技術を用いているなどとジョークで書かれるほどだった。昨年の11月に特許を出願し,初めて情報が露出(CNET Japanの記事)。それによると,トランスメタの特許物は,高速な独自チップに対し,「コード・モーフィング」というソフトウェアで,ウインドウズ,マック,ユニックス,リナックス,Javaなど,なんでもどんな命令系統をも翻訳し,高速に実行する。エミュレーターをハード的にもサポートしたチップという感じだろうが,少ないトランジスタ数で構成することで、ペンティアムでウインドウズを動かすよりもかなり高速になるという。

 謎の企業が動き出すのか。本当に実現するのか。次の世代を感じさせる,未来の夢を感じさせる,チップの存在。インテルは820やペンティアム3 ジーオン(Xeon)のバグでおおわらわの時,幕は開かれる。




[1999.09.25]
  信用ならない交通標識


 ▼“ページジャック”によるポルノサイトへの誘導に禁止命令(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9909/24/ftc.html


 サーチエンジンが,広大なワイヤードの交通標識であるならば,それはあまりにも頼りにならない標識であるということ。「時速50km/h制限」「右折道路」「直進せよ」「進入禁止」…,いろいろな標識があるが,それを信じるかどうかは,自分次第。嘘のキーワードに引っ掛かっても,それも自己責任。それが唯一無二絶対の,ワイヤードのルール,なんだナ。

 米連邦取引委員会(FTC)は22日,検索エンジンによって訪問者を騙し,ポルノサイトへと誘導していたサイト運営者らに対し,連邦裁判所から禁止命令を勝ち取ったと発表した。FTCは,「これらのサイトは,他のWebをハイジャックし,消費者を誘拐,自分のサイトに監禁した」として告発していた。ポルノサイト運営者らは,他のWebページからコピーしたMETAタグによる嘘のキーワードでユーザーを誘導し,「ネズミ捕り」と呼ばれるJavaコードで,前のページに戻ったりブラウザを閉じることができなくするわなを仕掛けていた。

 ポルノサイトに誘導されたからといって,そこに監禁されるかどうかは見ている人によると思うが…(^^ゞ。まぁ子供がアダルトサイトを見ることに過敏になっている状況では仕方ないのか。METAタグ(HTML中のキーワード)を偽ってアダルトサイトにユーザーを誘導するのは,常套手段。ZDNetの関連記事によると,アルタビスタインフォシークもMETAタグを利用している。しかし,あまりにも偽の誘導が容易なことから,エキサイトはMETAタグを使用しないという。それとて,本文中にコメントタグを使ったり,背景色と同じ色で誘導する言葉を挿入しておけば,エキサイトも容易に騙すことはできる。ヤフー!のようなディレクトリ型のサーチエンジンであっても,昨日まで法律相談のサイトだったのに,今日はアダルトサイトになってた,ということだってあり得ない話ではないんだからねぇ。

 ちなみにうちのページも嘘のキーワードが多い(いや,別に嘘ってわけじゃ…)。1ヶ月分のニュースを1ページに全部載せていると,1回しか出てこなくって全然詳しく触れてない言葉がひっかかって,サーチエンジンで来る人もいる。アクセスログを見ると,「AIBO | 詐欺」(infoseek)とか「記憶の拡大構想」(goo)とか「鉄腕アトム MP3」(infoseek)とか…。そりゃ1回はその言葉使っているけどさぁ…(^^ゞ,当てにならないなぁ,ホントに,すみませんねぇm(_ _)m。




[1999.09.24]
  問われるべき罪


 ▼ソーテック、「e-one」と同形状で色違いのパソコンを発売 (Nikkei BP bizTech News!)
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/biztech/gen/82605


 コンセプトが同一のものというのはある。だが,そこから生み出される製品が同じものになるとは限らない。だが,意図的にコンセプトを盗用すれば,同じようなものが作られる。問題は,罰せられるものは,製品だけである,ということか,なぁ。

 東京地方裁判所による仮処分の決定を受け,e-oneの製造・販売を中止し,予約の解約を受け付けると9月21日に発表したソーテック。しかし同社は,来週早々にe-oneと同じ形で色の異なるパソコンを発売する計画を立てている。ソーテックでは「丸みを帯びたCRT一体型のパソコンが類似品とされ販売できなければ,一般にパソコンの販売をすることが不可能」になるとして,色違いのモデルを10月初旬にも出荷する予定だ。

 e-oneについては過去記事を。そのe-oneがアップルの提訴により販売停止となり,さてどうするかと思っていたところにこの話。東京地裁は,「曲線を多用したデザイン,半透明で白と青のツートンカラーを採用した色彩,素材が共通,細部の形状にまでわたって共通点」があって,販売停止の処分を下した。さて,そのうちの1点だけを修正して再び売り出すことに,アップルはどう動くか,裁判所はどう動くか。ソーテックも法的な部分を十分に弁護士と協議しての行動だろうから(そうでなければクズ会社ですが),今後の成り行きを待ちたいところだ。

 で,じゃあ何色を出すのかという話で,一部では銀色というのが伝わってきている。下手をするとG4のグラファイト・カラーかという話も。それはそれでまた話のネタに尽きなくていいかも…(^^ゞ。しかしまぁもともとが呆れ果てるニュース。e-oneの形状が多少なりとも変わろうが,iMacというものの基本的なコンセプトを盗用していることに変わりはない。その部分に対して,アップルが罰を求めなければ,あまり意味はないんだが…。




[1999.09.23]
  荒涼の大地の片隅の秘事


 ▼HPで知人殺害依頼、女性を書類送検(Yomiuri On-Line)
  http://www.yomiuri.co.jp/newsj/0921i507.htm


 毎日毎晩,ネットサーフィンしていても,興味もなく見向きもしない場所がある。だが,そこでの主役は,あなた,だ。あなたをいつ殺すか,あなたをどうやって殺すか,あなたの死体の捨て場所はどこにするか…。

 京都府警亀岡署は21日,インターネットの掲示板に「殺して欲しい」などの文面を掲示したとして,大阪府高槻市内の女性(23)を脅迫容疑で亀岡区検に書類送検した。インターネットの文言をとらえて脅迫罪で立件したのは全国で初めて。ホームページには殺したい相手である主婦の名前や住所などが書き込まれ,約300件のアクセスがあった。8月初めに同署から掲示を知らされた主婦は不安になり,車の停車音にもおびえる日々が続いたという。

 きっとこの殺したい相手であった主婦は,インターネットに接続することはなかったのだろう。自分の知らないところで,自分を殺害して欲しいという言葉が自由にやり取りされている図は,まぁちょっと恐怖であるかもしれない。だが,これは他人事ではまったくない。憎々しい人がいて,その人の名前と住所を掲示板に書き込むことなら(書き込んだ人間の身元は最終的には割れるだろうが)簡単にできる。またワイヤードの荒涼とした大地には,けっして訪れることがない場所,というのが存在する。行こうと思っていても行けない,どんなに彷徨い歩いてもたどり着かない場所というのがあるものだ。もしそこが,自分の殺人計画の拠点だったら?

 警察がどうやってこの書き込みを知ったのかわからない。まぁおおむね,その掲示板を見た人からタレコミがあったのだろう。警察とて,ワイヤードの倫理に踏み込むことは至難の業だ。だがある日,いつもと違う観点でリンクをたどっていて,ふと何気なく行き着いた先で,自分についての殺人計画が練られていたら,誰に助けを求めたらいいのか。荒涼の大地の片隅に,そんな場所があるかも,しれない。




[1999.09.22]
  共有しましょ


 ▼あなたのホームページにファイル共有機能を付け足す無料サービス(INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/0921/idrive.htm


 ワイヤードのすべての価値は共有されねばならない。ファイルはbitのサイズと作成日によってラベルが付けられている。そしてすべての利用者に,閲覧と,配付と,取得との権利が与えられて,本当の意味を持つ,ワイヤードとは,そう云うところだ。

  ウェブ上に25MBのファイル保存用ディスクスペースを無料で提供しているアイ-ドライブが,そのディスクスペースをホームページからリンクして公開できるサービスを開始した。ホームページにアイ-ドライブから提供されるHTMLを挿入すると,i-driveのアカウントへのリンクがはられ,ページを訪れる人は誰でも共有されているファイルにアクセスできる。

 と云ってもたいしたことはなく,ただ単に自分のアカウントにリンクをはってるだけ。まぁフレームとかを活用して自分のページ内に取り込むことも可能かも,英語だけど(^^ゞ。ということで,さっそく実践。登録はSign up now!からちょこちょこと個人情報を入力するだけ。メールアドレスも適当で問題なさそう(^^ゞ。リンクボタンの説明のHTMLを自分のページのHTMLに入れて出来上がりと簡単です。自分のページにつけるとこんな感じ,それをクリックすると自分のアカのページに行く。結構動作がとろいんでいやんなりますが,そのSharedとなっているフォルダの中のファイルは誰でもダウンロードできるんですな。アップしたい人はDropboxフォルダにUpload,後は管理者が,そのファイルをSharedに移せば(Moveでできる)それも公開されると云う感じでしょうか(ちょっとしか触ってないのでよくわからん,間違ってるかも)。

 この手のファイル共有するためのCGIスクリプトなども存在する。けどその為にはCGIが利用できるフリースペースが必要になっちゃう。25MBなんかぢゃ全然足ら〜ん,とお嘆きのあなたもいることでしょうが(^_^),アップされているファイルがチェックされる割合いはジオとかトライポッドなんかよりはよっぽど少ないでしょうから,有効活用しましょうね(^^ゞ。

追記:横断者さんからX:ドライブと云うところが同じようなサービスを行っているという情報を頂きました。おんなじ25MBでページの見た目もとってもよく似てます…(^^ゞ。情報,Thanxです。




[1999.09.21]
  夢


 ▼新生Amigaの独自PC投入計画が白紙に(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9909/20/amiga.html


 夢に見たパソコン,というのがあるだろうか。僕はある。最初に,欲しいと思ったパソコンは,アミーガだった。その夢は,復活の夢へと。

 ゲートウェイ2000の一部門であるアミーガ社は,再度戦略を変更,待望のマルチメディアコンピュータを市場に投入しないことを伝えた。ゲートウェイは8月にアミーガ社を独立させたが,その月のうちに社長が突然辞任,すべての製品計画が見直されていた。アミーガ社は,アミーガOSを搭載したコンピュータを製作してくれるハードウェアベンダーとの提携を模索しているが,生き残る保証はない。「アミーガはゾンビのようだ。コモドールに殺され,ESCOMに殺され,ゲートウェイにまで殺された。それでもまだよろよろと歩き続けている」とファンたちは嘆いている。 。

 ゲートウェイという大きなバックボーンを得て,今度こそはと思っていたアミーガの復活はまた頓挫。厳しい状況に追い込まれた。このまま,アミーガボックスが消滅となってもおかしくない事態となった。もともとはゲームで有名なアタリ社の技術者が制作,アミーガ社を設立し,ドイツのコモドール社がこれを買い取って,伝説の名機A1000を商品化。3D映像の制作,ビデオコンポジット出力など,当時としては考えられない能力を持ち,他の追随を許さなかった。だがコモドール社があっさり倒産。その技術欲しさに買収先は数多だったが(ソニーなども名乗りをあげた),ESCOMが買収。しかし,供給が安定せず,結局ゲートウェイの手に引き取られた感じだったのだが…。

 アンディ・ウェーホールが惚れ込んで広告に出るなど,特に音楽や映像の分野で使用者を虜にする魅力にあふれていた。ウゴウゴルーガのアニメーションもアミーガによるものだった。完全マルチタスクOSと巧妙に設計されたカスタムチップによって,アミーガは二世代も先を行っていたが…。再び打ち捨てられて,夢は,遠のいてしまうのだろうか。




[1999.09.20]
  ゲームショー99秋,雑感


 ▼東京ゲームショウ'99秋【大実況<ナマ>中継】
  http://tokyogame.net/


 特に今回はプレステ2という起爆剤で,会場全体に動きと緊張感が与えられた。ゲームショーは今回も大盛況と云っていい。PC系のトレードショーがかなわない,勢いと,派手さと,若さと,が,ある。

 9月17日〜19日の3日間,ゲームの祭典東京ゲームショー'99秋が幕張メッセで開催されている。注目を集めるソニーの新ゲーム機,プレイステーション2が一般には初お目見えとなっている。他には,エニックスの「ドラゴンクエストVll」の初公開,バンダイのワンダースワンの赤外線によるプレステとの接続などが話題か。一般公開初日の来場者数は6万499人となっている。

 ということでヘッポコレポート(^^ゞ。6万499人と云う数字は,前回('99春)が6万5982人だったことだけ考えると減少だが,春は春休み期間中。今回は生徒学生は学校がある時期というのを考えれば,盛況か。話題はほぼすべてプレステ2に集約される。ソニーのブースはブースやライティングなどもプレステ2カラーで彩り,万全の構え(ph1ph2ph3)。なんじゃいここはという物々しく配置されたスタッフの中でプレステ2が鎮座ましましていた(ph4)。その横であまり注目されずに置いてあったミッドナイトカラーバージョンの現行プレステ(ph5)は,プレステ2発売後も安価機として売り出すということだろうか。ワンダースワンは,ワンダーゲートを参考出展(ph6)。ポケステを利用したプレステとの赤外線通信はアイディアもの,ですな。

 ソニーと比べられる立場のセガだが,まぁ元気はある。いち押しはやっぱりシェンムーのようで,どでかいバイクもおいて,ひいき目なしに見れば頑張っている(ph7)。「早くドラクエVIIが出ますよ〜に」と春は鳥居を建てていたエニックス,今回は5分間限定でデモプレイを実施し,長蛇の列(ph8)。私は疲れ果てていて並びませんでしたが,今までのドラクエの流れを壊していない感じには好感度高し,楽しみが広がる。ということで,プレステ2頼みだったって云うのを強く感じましたが,盛り上がりが失われることがなかったゲームショーでした。




[1999.09.18]
  新しいフィールドに降り立つとき


 ▼「2001年,すべての家電がIP端末になる」米ルーセントCEOが大胆予測(日経コミュニケーション)
  http://www4.nikkeibp.co.jp/NCC/ncctop10/f_ncc947.html


 すべての物質がワイヤードで繋がる。情報が,思考が,意志が,手段が,ワイヤードを介して流通する。電子レンジのスイッチを入れるのもワイヤードを通じて。掃除機を操作するのもワイヤードを通じて。人間のIPから,電子レンジや掃除機などのIPへ。リアルワールドと同じ物差しでワイヤードが,覆い尽くす。

 米国で開催中のネットワールド+インターロップ99で,米国ルーセント・テクノロジーのCEOリッチ・マギーンが講演した。マギーン氏は「今後インターネットがすべての生活の基盤になる」と切り出し,「2年後にはすべての家電がIPアドレスを持つ」との予測を披露した。

 プロトコルは現在,IPv4からIPv6への移行を行っている。この,プロトコル6への移行を急ぐ理由はいくつかあるが,いちばんはIPの不足。ワイヤードに接続するには,そのひとつひとつが独自のIPを持たなくてはいけない。現在のIPv4では,約40億のIPしか発行できないため,地球の人口の一人ひとりにも与えることができない。さらに,個人が,家ではパソコンを使い,外ではモバイル機器を使い,また携帯電話でメールを受け取っている,などとなれば,10億の2乗個のIPを発行できるプロトコル6の導入は是が非でも急がなくてはいけない。

 その先には,すべての端末がIPを持つことが想定されている。それは,電子レンジも,掃除機も,冷蔵庫も,ゲーム機も,猫耳帽子も(^^ゞ,そして人間自体も,すべてがIPで接続される。その時初めて,地球上の物質は一本の線で繋がる。リアルをそのまま覆う,ワイヤードが構築される。人間は,そのとき,長らく止まったいた進化を,推し進めることができるだろう。途方もなく広がる,しかしどこへでも行けるフィールドに,足を踏みしめながら。(kerberosさん,情報Thanxですm(_ _)m。)




[1999.09.17]
  音楽制作者としての常識


 ▼ソニーがアーティストのウェブ管理権を要求(CNET Japan)
  http://www.asahi.com/0915/news/national15017.html


 作り出された音楽は誰のものか。触れてはいけない禁断の果実。音楽制作者がウェブでもって,自分でプロモーションし,自分で音楽を配信する。インディーズではなく,プロとしてだ。当然,利権にあぶれるものが出るわけで,それを強く禁じようとする。まるで,小学生のような幼いやり方でもって。

 ソニー・ミュージックの契約書に,アーティストが自分の公式ウェブサイトの管理権を放棄することを求める条項が加わり,物議を醸している。この契約書によると,アーティストは自分の名前などを冠したウェブサイトと,そこから派生したすべてにわたって,永久にソニーが権利を所有する。近い将来,アーティストがウェブ上でマーケティングと配給体制を持つ新しいプロモーションの形になった場合,問題が生じる可能性がある。

 音楽制作者の自主的なウェブの作成,利用を制限する項目。あまりの強引さに開いた口がふさがらないというか…。もともと,レコードメーカーにとって,所属アーティストは自分の商品なんだと思えば,まぁいいのかと思うかもしれないが。…って商品というよりは,奴隷に近いな,やっぱし。レコードメーカーというのは,現代社会においては,吹き溜まり的な存在でしかない。自由な音楽の売買を拒否し,自由な音楽の流通を阻害する。そうして音楽の所有者として成り上がっている。音楽制作者をさしおいて。存在価値を見いだせない。MP3やオンラインでの音楽配信などでの論議を見ても,一目瞭然。

 数年後,レコード会社というものがなくなっている社会を考えることは,不可能とは思えない。P-MODELがBitCashを利用して先達をつけているが,自分でウェブを作り,そこで直接的な音楽配信を行う。JASRACもいらない。著作権が著作者にないなんて,どこかに嘘があることでしかない。自分で作った音楽は,「自分のもの」でなくてはならない。世間知らずのアーティストさんであっても,それくらいは「常識」を持ってもらいたいものだね。(参照記事として,asahi.comの平沢進インタビュー




[1999.09.16]
  誰でもできる簡単告発方法


 ▼紛失の患者情報、ネットで公開される(asahi.com)
  http://www.asahi.com/0915/news/national15017.html


 小さな声を大きくする手段としての,ワイヤード。

 和歌山県立医科大学付属病院で,看護記録やカルテなどを記録した光ディスクを紛失し,その内容の一部がホームページで公開されてることが15日,わかった。そのホームページ医療事故防止対策研究会では,5年前に起こった幼児へのミルク誤注入事件に関するカルテなどを掲載し,関係者を告発している。

 え〜,今日は誰でもできる簡単告発方法を学びたいと思います。簡単に云えば,ホームページを作る,音声や動画などちょっと目を引くコンテンツを載せる,頻繁に更新する,マスコミに取り上げられたらそれらの動きも全部掲載していく,あとは掲示板などで軽く宣伝する…という感じです。簡単ですね。まぁ過去に,そして現在進行で行っている人を模範としましょう。一大ムーブメントをつくった東芝のアフターサービスについて,こちらも見事謝罪を受け取ったネッツトヨタ東京 真実の行方,相手である警察がヤッキになって否定している悪徳警察官撲滅委員会,こっちでは警察官は味方らしい暴力団員 脅迫生テープ!,これも大成功で校長先生が辞任した校長先生お願いです,こんなんもあるのか妻の放屁癖について。う〜ん,すでに多いな。

 今回は,公開にあたってカルテなど本来は外に出るはずがないものが出ていることが警察沙汰へと繋がり,つれてホームページの制作者が意図した医療ミスの問題も,内部調査となっているようだ。ページ制作者がどうやって光ディスクを入手したのかがわからないが,まぁ問題が大きく取り上げられる起爆剤にはなった。ワイヤードであげられる声高のシュプレヒコール。この勢いは続々と噴出するのか。




[1999.09.15]
  ウレナイ,プレステ2


 ▼ソニー、『PlayStation2』構想を発表(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/1999/Item/990914-2.html


 これ以上ないないない,凄い凄い凄い,最高最高最高…。ホントに? プレステ2は,あなたが買わずにはいられない魅力を,ホントに持ってる? IEEE1394? USB? そんなのすぐには使わないし,使う機会なんてなさそうでしょ。DVD? 安いDVDプレイヤーは市場に出回ってるよ。魅力的なゲーム? それってドリキャスより格段に上ってわけじゃないよね。ひいき目なしに見てみようよ。

 ソニーは,プレイステーション2を来年3月4日に発売し,1週間で100万台を販売する予定。ちなみに,セガのドリームキャストは発売1週間で,15万台の売り上げだった。そして,ソニーの会計年度の締めにあたる3月31日までに200万台を販売すると予定している。

 プレステ2の詳細については,各所で情報が出回っているので省かせてもらうが,その情報を聞いていて,不安な気持ちに襲われてはいないだろうか。『これはもうゲーム機ではない,ゲーム機と家電との融合…』。むむっ? なんか過去にそんなうたい文句を聞いた憶えがあるような…。『技術的に他を圧倒,まさに次世代を象徴する性能…』。むむっ? そんな誉め称えを与えられた機器があったような気が…。『ゲーム機として各家庭に普及し,それを情報端末として活用を…』。むむっ? そんな夢を語っといていまだに何にも繋がることなく押し入れにある箱があったような…。どうも,不用意に騒がれすぎているような…。

 1週間で100万台とは,どうも無謀な数字として感じられる。4万円と云う価格は,ゲーム機の価格ではない。家電製品としたら,発売1週間に100万台売れる機器があるのだろうか。DVDとして買う人がいるって? プレステ2の発表を受け,DVDプレイヤーは明日からにも大幅に価格が下がるだろう。ゲームもできて4万円!と今は思っても,半年後にはゲームはしないからもっと安いDVDプレイヤーを買おう!となっているかも。そのときプレステ2が,単純な消費者に売れる理由は,残っているのだろうか? 今の大政翼賛的称賛賛美の声は,ちょっとうがってみてもいいかもしれない。




[1999.09.14]
  想像力の破綻と人間の失墜


 ▼コンピューターは人間以上に創造的?(WIRED News)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3053.html


 新しく発見された太宰治の小説が,実はコンピュータによって書かれたものだった,というのは簡単に起こりえる,というお話。

 「コンピュータが作り出したアイデアは,創造性に関して言えば,人間のアイディアよりもかなり高レベルのものだった」と,『サイエンス』誌に,ヘブライ大学の研究者,ジェイコブ・ゴールデンバーグ氏らは述べている。これは人間が作った広告案と,コンピュータが作った広告案を比較した結果によるもの。コンピュータは,広告の賞を受賞したものにみられる単純な公式を利用して,プロの広告制作者に匹敵する案を創出した。

 コンピュータは,道具でしかない,と常に頭の中にあった。あとは,使う人間次第。人間の能力があってはじめて,コンピュータは最高の仕事をする。と,思っていたのだが…。コンピュータに想像力の公式を教えることによって,人間の非常に狭い想像力の幅を簡単に突き抜けるほどに,コンピュータは作品を創出することができる。それはもう,人間を完膚無きまでに打ち崩す。

 たとえば,文学作品。太宰治の小説には,おおまかに35個のレトリックがちりばめられている,という。自分の存在を意図的に卑下する表現,他者を神の視線から見つめそのフィードバックを弱い自分に戻す表現,ある事柄に対して期待をすることとそれが裏切られることを看破する表現,などなどなど…。それを緻密に分析し,その35のレトリックを巧みに使いこなせば,太宰治の小説を新たに作ることも可能になる。そして,その作業をするのに,コンピュータはこの上なく向いている。将来,すべての作品は,コンピュータのコードナンバーを作者とする,かもしれない。人間の,唯一持っていた存在意義の,無くなる日が来る。




[1999.09.13]
  帝国の綻びの穴は…


 ▼ゲイツ帝国に生じた亀裂(CNET Japan Special Reports)
  http://japan.cnet.com/Content/Special/Gatesbuilt/


 小さな,小さな,穴。蜂が一匹通ることができるだけの穴でも,世界を覆う大帝国を崩壊させることがある。IBM,NEC,ジャストシステム,任天堂…。日本という小さな国にいても,そうして影を薄くしていった例を,私たちはいくつも見せつけられてきた。

 かつてIBM社がそうであったように,今はマイクロソフト社が一大帝国を築いている。だが,その帝国を揺るがすかのようなニュースがいくつか出てきている。司法省による叩き潰し,リナックスなどオープンソースOSの台頭,ウインドウズCEの進まぬ普及,トップ・ポータルサイトの座をいつまでも奪えない…。しかし,そのどれを見ても,MS帝国を明日にも覆すような問題はなく,まだまだ帝国の隆盛は続くと思われる。

 確かに,MS関連のニュースは最近とみに目に付く。それは,それだけの支配力があるということにほかならない。MSがゲーム機を開発していると云うニュースは,ヨーロッパで非公開でそのゲーム機が開発者に展示されたということで,現実に動いていることが明らかになった(Next-Generationの記事)。すべての分野でMSの動きは市場のカギを握っている。頻発するセキュリティー問題もそれだけ利用者が多いという証し。そして選択肢がはっきり云って多くない現状では,問題があってもそれを利用者が手放す可能性は,とても少ない。それほど,大きな問題とは,とらえられていないのだ。

 記事にあるように,司法省がどのような動きを起こしても,MSの息の根を止めるどころか将来への大きな可能性を残すことになる。AT&Tの例は適切だ。リナックスOSは,決してウインドウズに置き変わるものではない。また皆がすでにウインドウズに慣れてしまっている,という事実が事態を動かさない。ビル・ゲイツは,間違いなく有史上最高のマーケティング・ディレクターであり,その下にあるMSは,揺るぎないバックボーンを持っている。だが,この世界はなにが起こるかわからない。誰も気づかぬところから帝国が崩壊することはあり得る。今回のレポートで取り上げている6つの問題以外のほんの小さな穴からでも…。その穴がなんなのか,まだ,誰も知らない。




[1999.09.12]
  愛の告白のコード


 ▼NTT、感情のこもった合成音声技術「WebMessenger」開発(impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/1999/0910/webmes.htm


 愛の告白を表現する音声データとは,コード化できるんだろうか。ゆっくりと,静かに,決まりが悪い感じを含みながら,確かに意思を明確にして…。それをライブラリに入れておけば,どんなキャラからも愛を告白してもらえる?(笑

 NTTは10日,ウェブブラウザ上で口調を自由に変えられる合成音声とCGアニメーションを組み合わせ,感情のこもった表現を可能にするウェブメッセンジャーを発表した。ウェブメッセンジャーでは,素材となる合成音声データやCGアニメーションデータをユーザーのパソコンにインストールしておくため,実際の接続時には作品の設計図にあたる音声・動画のインデックス情報のみをHTMLファイルに添付するだけで済む。

 「ささやくような「おはよう」と、元気いっぱいの「おっはよ〜!」を使い分けたり,「頑張ります」という言葉に「しぶしぶ」のしぐさのアニメーションなどを組み合わせた表現ができる」というところに,なんか妙なものを感じなくもないが(^^ゞ,50〜60パターンの動きでもって,ウェブ上で見られる簡単なアニメが作れますよ,ということか…。その50〜60のパターン画像も自分で作れるし,音韻やイントネーションなどまで合成音声を徹底して管理できるので,アニメーションやゲームなどと同じように,ウェブメッセンジャーで確立されたキャラ,を作ることも可能になるのかもしれない。音声に感情がこめられることを売りにしているけど,後は感情のこもったアニメ絵で完璧に…。

 問題は,その合成音声にどれほどの感情が感じられるか。テキスト情報を音声情報に変換し,それにセサイン98という音声の加工を行う合成音声デザインツールを使って,色付けする。音韻,イントネーション,強さ,速さ…。果たしてウェブブラウザ上のキャラは,どこまで言葉を伝えてくれるのだろうか。そしてこのソフトから,大人気のキャラが生まれてくるんだろうか,ねぇ。




[1999.09.11]
  パラサイト・ボム!


 ▼500ドルの自作破壊兵器でPCがクラッシュ(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9909/10/killray.html


 メールボムなんて,甘い甘い。実際にあなたのパソコンに,爆弾を送り込んであげよう。発火し,爆発し,延焼する,爆弾を…。物理的な破壊に勝る破壊は,ないんだから,ネ。

 元海軍エンジニアのデビッド・シャリナー氏がInfowarCon '99カンファレンスでデモした結果,その高エネルギー無線周波(HERF)放射装置は,6メートル先にある2台のPCをフリーズさせ,再起動に追い込んだ。HERF銃は,端的に言えば20メガワットの雑電波を一斉にアンテナから発信するもの。シャリナー氏は,ハードウェアショップを回って500ドルも費やせば,実用的な電子兵器を作成できることを証明した。

 なんとも不格好な機械ながら,威力は抜群。もっと小型化されて,もって高性能・高機能になれば,他人の家の窓の外から狙いを定めて発射することで,マシンがオダブツ,ってことになりかねない。どうでもいい話だが,私の使っているマシンの薄い壁1枚隔てた向こうで,電子レンジを使いはじめたやつがいて,電子レンジが動き出すたびに画面がブルブル震えたものだ(T_T)。HERF銃のような雑電波や,異質な電子エネルギーを集めて,直接向けることで,コンピュータはあっさりと使い物にならなくなる。

 だが,もう一歩進んで,ネットワークを利用して物理的な破壊を行う爆弾を送付する可能性を考えてみる。現在のウイルスやワームなどは,所詮ソフトウェア的な破壊でしかない。最悪の場合でも,BIOSの操作で復旧できることがほとんど。そうではなく,物理的に破壊する方法は? たとえば,CPUの処理を極限まであげ,熱暴走を誘い,冷却装置の冷却速度を超える加熱から発火させることは不可能だろうか? あなたのパソコンが,壮絶な爆音とともに,爆発する,そんなパラサイト・ボム・クラックは,あり得ないだろうか?




[1999.09.10]
  幕開け前の喧騒


 ▼ソニーが次期PlayStationの発売を延期?(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/1999/Item/990909-5.html


 ざわざわざわと,喧騒が大きくなる。話題の多さはそれだけ注目度の高さ。怒号,叫び声,歓声,悲鳴,絶叫,咆哮…。期待と不安とが交錯する。幕開け前の騒乱のなかで,今,開幕の時…。

 9月13日に正式発表となるソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーション2に関する噂や情報が飛び交っている。発表会では,価格,出荷日,ソフトウェアのタイトル,ゲーム機の正式名称などの詳細が公開される計画。出荷日は,当初の発表では今年12月初旬となっていたが,アナリストたちは1月後半から3月に延期される可能性を示唆している。これにより,先行して発売されている,セガのドリームキャストが売り上げを伸ばすと予想されている。

 その他のニュースを羅列。毎日INTERACTIVEによると,コナミはプレステ2向けのソフトタイトルを発表,「ドラムマニア」「実況ワールドサッカー2000」「実況パワフルプロ野球7」など5タイトル。Tech Sideさんの日経ネットの記事によると,イマジニアは英国レイジ社と共同でプレステ2ソフトを開発する。これはより高い技術力と資金が必要になるため。GameSpotNewsには,ナムコのプレステ2ソフトのスクリーンショットが掲載されている。これが人気の「鉄拳」シリーズの最新作かどうかは不明。

 折しも9月9日は,ドリームキャストの米国での発売日。ソニーと任天堂の背中からの視線を感じながら,最後の戦いに挑むセガ。まるでそれに当てつけたかのようなプレステ2の話題,誰かリークしてる?(^_^) まぁ正式発表まで,あと3日。怒号と歓声のなかでの発表になりそうだ。




[1999.09.09]
  僕を買ってください


 ▼eBayオークションで今度は「赤ちゃん売ります」(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9909/08/b_0907_04.html


 一週間分の僕をお買い上げください。容姿端麗,肉体頑強。肉体的な危害が加わるもの,法律に犯すもの,でなければどんな使用をされても結構です。さあ,Enter your maximum bid!

 オンラインオークションサイトのイーベイで先週末,「出生前の赤ん坊」が競りに出され,サイト運営者側が取引を停止させた。取引停止処分になる前に,6桁の値が付いたという。イーベイでは1週間前にも,「完全機能の人の腎臓」が売りに出され,575万100ドルの値がついたが,違法販売として入札を中止させた。また過去には,インターネットプロバイダの技術者16人をチームにして法外な値段で売りに出されたことがあったが,買い手はつかなかった(WIRED NEWSの記事)。

 イーベイの人気はとてつもなく,現在も270万点以上の商品が売りに出されている。自分の持っているものを売りに出すのも,売られている商品に値段をつけて買い取るのも,オンラインだけで済ますことができる。ワイヤードなら,不特定多数の,未知数の人間を集めることができる。多くの人が集まれば,魅力的な商品が増えて,価格もこなれる。あまり目にすることがない,カルトやオタクな商品も集ってくるだろうし,リアルワールドのショッピングモールにはない,自分のための買い物,をすることができる。赤ちゃん売ります,ってのはかなりきついジョークだが,もしかしたら,あり,なのかもしれないなと感じなくもない。

 イーベイ側では,これはイタズラで本当に売る気はなかっただろうとしている。6桁の価格ということは最低でも100,000ドル,1100万円以上の値がついたってことか…。ワイヤードに,リアルと同じ倫理を求めるのは不毛なこと。もし,自分のサイトで売りに出していたら,この売買は成立するのだろうか? そんなに高い値段がつくんなら「私を売ります」ってサイトができてもおかしくなさそう。なにに使うかは知らんけどね(^_^)。




[1999.09.08]
  肉体という名のハードウェアデバイス


 ▼The Body Electric −人類はめざましく進化する(ASCII24)
  http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=columns/alex/alex001.html


 現在の人間は,ソフトウェアでしかない。データを処理し,ハードウェアに渡し,結果を受け取り,再び処理を行う。だが,シームレスな情報の取得と処理を追及していくと,人間は当然,ハードウェアへと近づいていく。そして人間は,その存在自体が,ハードウェアデバイスへと変化する。

 昨年から耳にするようになったウェアラブルコンピューティング。ウェアラブルがネットワークにつながるとき,人間の感覚能力は拡張され,記憶は豊かになり,人づきあいが円滑になる。インターネット装備人間は,数限りない電子書物や電子地図,カレンダーやスケジュールなどのデータベースに素早くアクセスでき,現在のコンピューターの使い方は根底から変化していく。10月18日・19日のウェアラブル・コンピュータ国際シンポジウムで,その世界がさらに近づくだろう。

 好きなときに好きな場所に映すことができる仮想ウインドウモニタを,たとえば右目眉毛の先当たりに表示する。眼の動きは常に探知され,それによって操作を行う。ファイルを開くのも,スクロールも,リンククリックも,すべて視線だけで行う。耳穴付近に着けたゴマ粒ほどのシールは,必要なサウンドを出すスピーカーと,人間の声を拾うマイクロフォンとして機能する。入力は,音声認識によるか,それとも脳の一部をスキャンしてダイレクトに送り込むか。必要な演算は胸ポケットに入れたカード1枚ですべて処理。人間の肉体はそれ自体がコンピュータハードウェアとなり,ワイヤードデバイスとなる。

 そんな,空想絵図は,ちょっとずつだが,現実に近づいてきている。肉体そのものが,ハードウェアデバイスとして機能すること。人間の次なる進化は,それが達せられたときかもしれない。カッコイイナァ〜(^_^)。(kerberosさん,情報Thanxです。)




[1999.09.07]
  世紀末の救いとしての個人認証


 ▼バイオメトリクスによる認証が実用段階へ(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9909/06/bio.html


 「このマシンのユーザー登録をしなさい。話しかけてごらん」。「ハロー,NAVI」。『Authorized User』。「…これで,このNAVIは‘お前’のものだ」。本当の意味での,オーサライズの確立。

 指紋技術や音声認識による個人認証システムが,実用間近となっている。ベレディーコム社は,BIOSで指紋によってPC起動時のユーザー認証を行う技術,OpenTouchの開発に当たっているが,40ドル程度の価格で,今年後半の出荷を予定している。インテル社も,ハードウェア的にオープンタッチの採用を検討している。米国アップル社は,10月に出荷予定のマックOS 9でセキュリティスイートの一部として音声認証パスワードをサポートする。

 記事中にもあるように,ユーザー認証には大きくわけて3つある。磁気カードやICカードなどの物理的なモノを利用する所持品認証,暗証番号やパスワードなど数字や文字の羅列を利用する知識認証,そして,指紋や声紋,網膜パターンなど個人の肉体的特徴を利用する個人認証,である。現代のPC,ネットワークは100%,知識認証に頼っており,それがいちばん信用性の低いものであることはご存知の通り。

 なら,せめてその前のPC起動時に,となるのだが…。マックでいえば,起動時にパスワードでアクセスを制限するソフトはいっぱいあるが,どれもこれもたいしたことない。簡単なものは機能拡張を読み込まずに立ち上げることでクリアできるし,それを阻止するものでも,OSのCD-ROMなどで起動し,認証機能を解除してしまえばいい。今まで価格的に実用的でなかった個人認証が,非常に危うい現代のセキュリティーにやっと舞い降りてきたのは,ひとつの救い,であるかもしれない。とりあえず,ノートパソコンが盗まれる心配が減るかな…(^^ゞ。




[1999.09.06]
  三つ巴の崩れる時はいつ?


 ▼マイクロソフトがゲーム機開発? 米ゲーム雑誌が報道(asahi.com)
  http://www.asahi.com/0904/news/business04003.html


 ほんの数年前まで,任天堂の牙城が崩れるとは誰も思わなかった。今は,ソニーを頂点に任天堂とセガが隙をうかがう図式が長く続いている。来年の今ごろには…,神をも予想できない展開も起こりえる。天と地がひっくり返るようなことも,起きないとは限らない。その芽は,ここ↓にあるかもしれない。

 米国のゲーム雑誌ネクスト・ジェネレーション誌は3日,米国マイクロソフト社が家庭用テレビゲーム機の開発を進めていると報じた。そのゲーム機とは「Xボックス」というコードネームで呼ばれ,テレビ受信機能を持ちあわせている。インテル社の500MHzのMPUを搭載し,デルコンピュータ社ゲートウェイ2000社などのPCメーカーがライセンスを取得して製造販売を行う。

 MSはコメントを拒否しているが,ゲーム機市場はとどまることのない宝の山,ほっとくわけはないでしょう。市場は,ソニー社任天堂セガ社の三つ巴の状況になって久しいが,その状況を打ち破るのは,MSの本格参入か,セガの失墜か…。

 ソニーは,プレステ2に向けて着々と抜かりがない。任天堂は,ハードで松下と,ソフトでコナミとの提携を発表,次世代に向けて動きが激しい(過去記事)。セガは,米国でのドリームキャストの販売予約が順調,後のない戦いに賭けている。もともとセガは,ドリームキャストでウインドウズCEをOSとして採用しており(MSのリリース),MSとの蜜月度が高い,というのも先を読むヒントになるかもしれない。どう転がるか,どっちに転がるか。一寸先は闇の業界だねぇ,ホントに。(参考記事:TECH SIDEさん)




[1999.09.05]
  月曜日の恐怖の木曜日


 ▼金融機関が「Thursday」ウイルス感染を報告。その深刻さの度合いは?(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/9909/03/thurs.html


 イエス・キリストがゴルゴダの丘で十字架に架けられたのが金曜日。その前日は,あの「最後の晩餐」が行われた聖なる木曜日。今年の12月13日,世界は聖なる木曜日を招き,そして翌日,混乱の暗黒を迎える。

 アンチウイルスソフトメーカーのネットワーク・アソシエイツ社は,「W97M/Thurs.A」または「サーズデイ」と呼ばれているワード97マクロウイルスの危険度指定を「中」から「高」へと引き上げた。サーズデイは,12月13日にファイルを開くと,ユーザーのCドライブ内の全ファイルを削除する。また,このウイルスはワードのマクロ警告をオフにする機能を持っている。

 マクロウイルスによってウイルスコミュニティーの状況が大きく変わったこととともに報告されていることには,サーズデイは金融機関を中心に5000台のPCが感染した模様。またNAIのページでは,日本国内でも感染も報告されている。Cドライブをすべて消しちゃうって云う破壊力はなかなか強力。木曜日と名乗っておいて,月曜日に発病するおとぼけぶりもなかなか(^_^)。

 現在,ワードなどでは,マクロウイルスに対する方策として,マクロを含むファイルには,開くときに警告のアラートが出る。しかしアラートが出たからと云って,ファイルの中身が見たければ開くだろうし,かといってそのマクロがウイルスなのかどうかを確認する術もない(アンチウイルスソフトを使わなければ)。うざったいのでその機能をオフにしている人も多いだろう。サーズデイは,それを自動でやってくれちゃう。ほんで12月13日に,どかん。とりあえず,ちゃんとアンチウイルスソフトを使いましょー。




[1999.09.04]
  携帯ゲーム機未来予想図


 ▼任天堂、インターネット接続可能な次世代ゲームボーイの仕様を一部公開(PC Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/990902/nintendo.htm


 メールもできる,ウェブブラウジングもできる,チャットもできる,ピアトゥピアでの通信のやりとりもできる,もちろんゲームもできる…。携帯ゲーム機が,大化けする未来を想像してみると,なんとも,楽しそうじゃないか。

 任天堂は,来年8月に発売を予定している携帯型ゲーム機「ゲームボーイアドバンス」の仕様の一部を公開した。それによると,CPUは英国ARM製の32bitを使用し,現行のゲームボーイの画面に比べ1.4倍ほどのTFTカラー液晶を備える。ソフトは現行のゲームボーイに互換性を持たせる。任天堂は,同時にコナミと提携を結びモバイル21社を設立,ゲームボーイ用の通信ゲームの開発などを行う。

 携帯ゲーム機市場の動きが騒がしい。バンダイのワンダースワンは,驚異的にシェアを延ばしており,先手を打ってワンダーゲートを発表。通信ゲーム機の分野でのアドバンテージをなんとか獲得したい意向だ。そしてそれは,ゲームボーイでトップを走る任天堂とて同じこと。家庭向けのゲーム機と同様に,ネットワークを利用することで,ゲーム機は次世代への壁をぶち破る。

 年内にも携帯電話のモニタはカラーになると思われる。数年のうちに動画のやりとりも普通のこととなるだろう。そのとき,携帯電話のサイズですべてをまかなうことができるのか。そのとき,接続してナビゲーションを容易にする端末は必要にならないだろうか。その端末の座を,ノートPCやPDA,携帯ゲーム機などで,激しく争うことも予想される。携帯ゲーム機が,身近で,親しみやすくって,楽しい,そんな特性を活かしていけば,ワイヤード携帯ナビとして大化けする可能性も秘めている。




[1999.09.03]
  本当の怪物の誕生日は


 ▼インターネットが30歳の誕生日を迎える(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/1999/Item/990902-1.html


 ハッピーバースディ,僅かな期間で地球中のすべての意識をつなげてしまった怪物。だが,その怪物が本当に生まれてたのは…。

 インターネットは2日,生誕から30周年を迎えた。1969年9月2日,インターネットの父と呼ばれているUCLA教授レオナルド・クラインロック氏が,冷蔵庫ほどのルーターにコンピュータを接続し,ネットワークを形成した。これが,後のインターネットの始まり。クラインロック氏は,「コンピューター同士の通信は想定したが,人間同士のコミュニケーションは期待していなかった。電子メールが登場して,人間同士のやりとりが決定的な応用方法だと気づいた」と語っている。

 もちろん,その前から,インターネットの素となる思想は幾多あった。シオドア・ネルソン氏のザナドゥ構想,そしてそれを具現化するためのテッド・ネルソン氏のハイパーテキストシステム(過去記事1過去記事2)。インターネットは幾多の思想の上に成り立っている。だが,思想だけではない,このシステムを作り上げるには,もうひとつ,人間の本能的な意識の存在,がある。

 それは,人と人が無意識で繋がろうとする,コミュニケーションの意識。電話回線が登場した時点で,人は物理的につながる手段を得たが,それを生み出したのは,「無意識のネットワーク・プロトコル」の存在。それを,よりはっきりとしたカタチとしたのがインターネットと考えたら,インターネットの生誕日は,人間の有史の始まりと同じとも云える。30年前の出来事は,ターニングポイントでしかなかったのかもしれない。




[1999.09.02]
  震撼の扉


 ▼アップル、『G4』プロセッサーと『Mac OS 9』を発表(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/1999/Item/990901-1.html


 多くの言葉は必要ではない。今,震撼の扉が,開かれる時。

 米国アップル社の暫定CEOのステーブ・ジョブズは31日,シーボルド会議の基調講演演説で,新しいG4プロセッサを発表した。このG4の動作速度は,インテル社が出している同等のペンティアム3プロセッサーの倍近くになる、とジョブズは述べている。アップル社は、G4を搭載したコンピューターはとても速いので、米国政府によってスーパー・コンピューターに分類され、一部の国には輸出できないのだと語った。「一つのチップ上にのったスーパー・コンピューター」G4を搭載した400MHzデスクトップマシンは,1599ドルで今月31日に売り出される。

 記事中にもあるように単純にジョブズに云う「速さ」を飲み込んではいけない。だが,このG4は,人間が構築してきたパーソナルハードウェアの壁を完膚無きまでにぶち破るものだ。1秒間に10億回の浮動小数点演算をこなす。人の英知を超えるこのシステムが,個人のものとして売り出されるという時代の転換点に,われわれは立ち会っている。

 とある研究者が,ジョブズに呼ばれる。彼は,興奮する会場で訥々と語りだす。G4が1回の演算を行う時間は,光が,約30cm進むのと同じ時間でしかない。すなわちキーボードを叩いて1演算する間に,まだモニタから発せられた光は,あなたの顔に届いていない。……そして,震撼の扉が,開かれる。




[1999.09.01]
  簡単な自分を守る方法,その壱


 ▼ホットメールにセキュリティーホール(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/1999/Item/990831-4.html


 ワイヤードには危険がいっぱい,と喧伝されている。それは間違いではないが,自分を守る方法も簡単にいろいろある。真面目でない会社は信用しないこと,自分の目で確認できないものは使わないこと,最後の責任は自分が持つこと,などなど…。

 誰もがホットメールのすべてのアカウントにパスワードなしでアクセスでき,メールの閲覧や削除,送信などを可能にするセキュリティーホールが,30日朝のヨーロッパの新聞で伝えられた。米国マイクロソフト社は午前中にホットメールのサーバーをダウンさせ,セキュリティーホールのパッチ対処を行ない,問題解決の報告をした。だが,その後も数時間にわたって,このセキュリティーホールが開いているという報告もあった。このセキュリティーホールを利用するコード「Hotmail Login ID Strage Program 1.1」には,1998年6月7日にマイケル・ノビリオによって書かれたもの,という記述が,そのコード中にある。

 このセキュリティーホールを利用するコードというのは,単なるFormタグを使ったHTMLであり,もし98年6月という作成日を信じるならば,かなり長い間,メールが盗み見られていた可能性があるということ。WIRED NEWSの記事によると,そのコードは,ホットメールのメールアカウントにログインするための公開されていないもうひとつのスクリプトを利用しており,こちらはパスワードなしでアクセスできる。この危険なスクリプトを残しておいた,または忘れていたというのは,マイクロソフト社の非常に単純な,不注意,であり,セキュリティーに対する真面目さの欠如を露呈している。

 ウェブ上の無料メールサービスでは,ローカルにメールをダウンロードしないため,サーバーにメールを残しがち。よって,もし他からアクセスされた場合,すべてをさらけ出すことになりかねない。先日起きたgooフリーメールのメールデータ消失(asahi.comの記事)も,POPやSMTPのように確実に動作しているか確認しづらい点が被害を広げさせた。無料だからって「損害が生じても当方は一切責任を負いません」てのもひどい話だ。対応策は簡単,簡単。そんなものは利用するなってこと。自分が,確認できない部分が多いものは,安易に利用しない。とっても簡単な,自分を守るための方法その壱,だ。




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